ブログ投稿

2023年人財開発戦略の健全性指標:次の時代に必要な人財開発とは

組織としての真の健全性がどのようなものなのかを知らないまま、組織の問題を解決する方法を考え出すことは難しいでしょう。この定義づけを難しく感じるとしても、それは皆さんだけではありません。80%以上の組織が、急速に変化する人財のトレンドに適応するという複雑な問題に取り組んでいます。

技術の急速な進展、従業員からの期待の変化、ダイナミックな市場環境により、人財の獲得、維持、スキルアップは、より複雑なものとなっています。成功の鍵は、人財開発に総合的なアプローチを取り入れることにあります。

Cornerstoneの人財開発戦略の健全性指標(THI)は、このプランをナビゲートする羅針盤として機能します。これは、単なる評価基準ではなく、人財開発を評価し、戦略を立て、最適化するためのダイナミックなツールです。人財開発戦略の健全性指標によって得られる内容を掘り下げることで、成功への道筋を確立するために活用できるインサイトの宝庫を発見することができます。

人財開発戦略の健全性指標を理解する:総合的なアプローチ

まず考えるべきことは、人財開発戦略の健全性指標とは何かということです。

人財開発を1つのパズルだと考えてみてください。それぞれのピースは、組織の人財を取り巻くさまざまな側面を表しています。人財開発戦略の健全性指標では、これらの側面を4つの成熟度レベル(基礎、管理、高度、変革)にとりまとめられます。これらが、成長、生産性、成功を推進する全体像を形成します。

基礎レベルから変革レベルに至るまで、人財開発戦略の健全性指標は、人財の成熟度と組織の健全性の全領域に及びます。基本的なコンプライアンス主導の行動からAI搭載のイノベーション まで、それぞれのレベルで独自のイニシアチブが混在した状態となります。

それぞれのレベルにおいて、人財の状況に関するこれらの重要な側面は、優れた組織に向けての推進力となります。

  • 文化とテクノロジー – 学習と成長を拡大し、従業員の潜在能力を育成する
  • コンテンツ戦略 – ソリューションとしてビジネス課題に直結するコンテンツをキュレーションする
  • スキル戦略– スキルアップを通じて、従業員自身の目標達成と組織の目標達成を支援する
  • 学習と能力開発 – チームのためにより魅力的な学習体験を作り上げる方法を発見する
  • パフォーマンス管理 – 評価面談を従業員の学習にシームレスに結びつける方法について
  • 人財流動性プロとしての成長を促進し 従業員が自分の組織において活躍できる場があるということを認識できるようにする
  • レポートとデータ分析 – AI搭載のテクノロジーでデータドリブンな意思決定を行う

人財開発戦略の健全性指標は、雇用主と従業員との間にある29%のスキルコンフィデンスギャップを埋めるのにも役立ちます。組織がスキル開発の機会を優先しているという自信があると回答している従業員は59%にとどまっていますが、雇用主では88%が同じ質問に対して自信があると回答しています。人財開発戦略の健全性指標を活用することで、このギャップを埋め、この不整合を軽減することができます。

人財開発戦略の健全性を高めるための研究に基づくインサイト

Cornerstone People Researchラボが主導する人財開発の健全性指標報告書は、ほとんどの組織が人財開発の健全性に関する取り組みで遅れをとっていることを指摘する厳密な調査とデータに基づく報告書です。700人以上のビジネスリーダーと1,400人以上の従業員の知恵から生まれたこのマップは、グローバルな規模の人財開発に関する複雑な状況の中で組織の指針となるものです。ここには、皆さんのような現場の従業員からの直接的な情報が盛り込まれています。

この指標が示す人財開発の成熟度の4つの特徴的なレベルである、基礎、管理、高度、変革レベルを詳しく見ていきましょう。それぞれのレベルは、より生き生きとした包括的な人財戦略に向けたプランを強化するように設計された構造化の枠組みを提供するものです。

基礎レベル

この最初の段階では、人財開発戦略の枠組みを、組織の成功を築くための基盤であると考えてください。このレベルでは、基本的なニーズに対応し、成長のための基礎を築き、重要な基準への基本的なコンプライアンスを確保します。このようなシンプルな構成要素の重要性を認識することで、確実かつ柔軟性に富んだ人財開発のアプローチの場が整うことになります。

管理レベル

進歩の課程で、人財開発のアプローチは、手作業から自動化されたプロセスへと進化していきます。管理業務からより戦略的な取り組みへとシフトすることで、組織は、スキルを磨く ことに重点を置けるようになり、斬新な人財開発の道を探り、人財開発戦略をより広範な事業目標と整合させることができるようになります。管理レベルでは、効率性を重視し、業務を合理化し、より迅速で適応力のある人財エコシステムを促進するテクノロジーの発展を取り入れていきます。

日本の平均人財開発戦略の健全性指標は86点であり、「管理」レベルに位置しています。日本の多くの組織はまだスタートラインにいないかもしれませんが、人財開発プログラムをさらに開発する余裕や機会があることは確実です。

高度レベル

この段階では、極めて重要な変化が起こります。つまり、学習をその都度行う活動とみなすことから、継続的な学習文化の醸成へとシフトしていくということです。分析の統合が道標となり、意思決定と戦略開発 の指針となります。スキルは、ワークフォースを団結させ、組織の目標に対する結束した理解を促進する世界共通の言語となります。学習中心の環境を育むことにより、従業員に対して、成長、革新、卓越を受け入れる力を与えることができます。

変革レベル

人財開発の成熟度の最高峰、変革レベルでは、戦略的な要員計画のためのAI搭載のプロセス の潜在能力を活用していきます。ここでは、変化に対応するだけでなく、変化を積極的に形成していくことになります。アジャイルな意思決定が自然にできるようになり、進化する業界環境にも迅速に適応できるようになります。このレベルでは、AIのケイパビリティを活用して人財開発を最適化し、変化し続ける世界の中で組織が課題に取り組み、一連の機会 を活用できるようにします。

繁栄するワークフォースへの道

あらゆる組織の中心には従業員が存在します。人財開発戦略の健全性指標は従業員の成長したいという意欲に対してどのようにアピールできるかを鮮明に描き出すものです。

  • 従業員の41%が、自分のスキル開発 に必要なリソースがあるという自信をより高める必要があると回答している
  • 従業員の65%が、追加学習コンテンツを積極的に求めている

スキル形成戦略は、健全で成熟した人財プログラムの要です。従業員のスキル構築にコミットしている組織は、将来のビジネスに関する課題を克服し、人財を維持する準備が整っています。

  • 日本では雇用主の59%がスキル開発能力に自信を持っているが、自信を持っている従業員は31%
  • 雇用主の75%がスキル開発のためのリソースがあると自信を持っているのに対し、同じように考えている従業員は26%

これらの統計は、継続的なスキルアップと能力開発への欲求を示唆しており、組織が多様性に富む魅力的な学習機会をキュレーションする必要性を強調しています。さらに、成長への欲求はコンテンツだけにとどまりません。

  • 従業員の62%がコーチングやメンタリングを受けることを熱望しており、人財の可能性を育てるにあたり、パーソナライズされたガイダンスの重要性が強調される形となっている
  • 59%の従業員がキャリアガイダンスを積極的に求めており、職業上の軌道を明確にし、方向性を示してほしいと強く願っている

組織はよりよいスキルや開発機会を実現するために従業員には何が必要かを正確に理解していなければなりません。日本の従業員は、組織が提供するスキル開発ソリューションの改善を求めています。

  • 従業員の13%が、コーチングやメンタリングの機会を増やすことが重要だと考えている。
  • 従業員の14%が、組織に対して、よりカスタマイズされた包括的なキャリアガイダンスの提供を望んでいる。
  • 全体として、従業員の76%が、能力開発ソリューションは従業員が興味のあるスキルを習得する能力を与えるべきだと考えている。

人財開発の文化を創造することは、組織内で学習と成長を促進するための鍵となります。

  • 日本では「自社は人財に関するプロセスと情報の流れを効率化するために学ぶ側を中心としたツールを活用している」と回答した従業員の割合がわずか14%。

最新のパフォーマンス管理戦略において、アクティブリスニングの実践、進捗状況の追跡、従業員との頻繁な確認といったアプローチを用いて、スキルと学習をシームレスに統合することが非常に重要です

  • 日本の組織の39%が「パフォーマンス管理は2方向の協力的なプロセスで、企業と個人を支援するものだ」と回答。

すべての組織の人財開発戦略の健全性指標の成熟度が遅れているわけではありません。ハイパフォーマンス組織(HPO)、つまり、顧客満足度、生産性、従業員の定着、および総合的なパフォーマンス評価が高い組織は、「高度」なレベルに位置しており、コンテンツ戦略の強化、スキル戦略の改善、パフォーマンス管理の統合に成功しています。

  • HPOの従業員の96%が、組織が自分たちの成長を支援していることが明確にわかると感じている
  • HPOの従業員の92%が、人財開発に関する自分の取り組みに自信を表明している
  • HPOの従業員の96%が、雇用主が自分とその成長を気にかけていると感じています

セルフチェックからインサイトを得る

これらの重要な所見は単なる数字ではありません。これらは、組織の人財開発戦略の健全性プランを形成するための実用的なインサイトを提供するものです。関連資料、学習コンテンツ、コーチング、キャリアガイダンスの必要性を表明する際、従業員は、組織が有意義な影響を与えるために力を注ぐことのできる分野を強調します。

人財開発戦略の健全性指標は、自社を評価するための評価基準として、自社がどのレベルにあるかを把握するのに役立ちます。人財開発戦略の健全性指標を活用することで、ギャップを特定し、進捗状況を把握し、改善に向けた道筋を描くことができます。自社がまだ基礎レベルでも、真の変革レベルとなる直前の段階でも、このプログラムは、皆さんが必要とし、またそれに値する場所に到達するための次の一歩を踏み出すお手伝いをすることができます。

レジリエントな人財エコシステムへの道を拓く

この取り組みを開始することにより、皆さんは未来に適応するだけでなく、未来を形作ることになります。人事管理のプロフェッショナル、テクノロジーリーダー、人財獲得リーダー、ビジネスリーダーとして、皆さんは、組織の真の可能性を引き出す重要な役割を果たしています。人財開発戦略の健全性指標は、人財開発戦略の再定義という複雑な課題を乗り越えるためのインサイト、戦略、羅針盤を提供し、信頼できる伴走者としての役割を担います。

将来のための道標として、人財開発戦略の健全性指標を採用すれば、卓越した組織へと進むための態勢が整うことになります。総合的な人財開発アプローチの力を取り入れましょう。人財開発戦略の健全性指標を採用することで、人財開発戦略を大きく変える道筋が見えてくるはずです。

組織を次のレベルへ引き上げるために必要なデータドリブンなインサイトを得るために、人財開発戦略の健全性指標 の詳細をこちらでご覧ください。

関連資料

製品やお客様事例、最新の業界のインサイトなどをご紹介しています。

Understanding the workforce readiness gap: Strategies for HR professionals

ブログ投稿

Understanding the workforce readiness gap: Strategies for HR professionals

The workforce readiness gap is a pressing concern that echoes through HR departments worldwide, whispering of untapped potential and missed opportunities. Picture a bridge stretching between the cliffs of talent and necessity, prompting employers to ponder: Are we sufficiently equipping our workforce for the challenges of tomorrow?

お気軽にお問合わせください

人財管理に関して、ご要望、お困りごとについて、コーナーストーンにご相談ください。

© Cornerstone 2024
法的事項